憧れとはいったいなんなのか
とてもすてきな作品を作る人が、この世に多いこと多いこと。
そのなかでも、ひとたび聴いたらもう、羨ましいなどの感情を通り越して、ものすごく前のめりになって必死で聴いて、ドキドキして、何か言わないと気が済まない!という気持ちにされる作品に出会うことがあります。
分からないんですけど、器用にこなしているという感じられるものよりもはるかに、苦心しながら組み上げたように思えるもの、「これが私の生きざまよ!」と体現しているようなもの、そういうものがひたすら胸を打つ。
あまりにも感情がざわつくものだから、それが憧れなのか、憧れすら通り越してもう恋なんじゃないかとか、いろいろと自分の中で整理がつかなくなっています。
憧れって恋心に似ているのでしょうか。
ふと、中学生のころ、学校の先生(ハンサムな感じではない普通のおじさん)にあまりにも惹かれて、ひとめ見ただけで何かが心の奥底からこみ上げてきて、不意にぽろぽろと涙がこぼれたことを思い出しました。あのときは一目ぼれかと思っていたけど、その先生の立ち居振る舞い、オーラ、話し方、声の出し方、とにかくいろんなものに一瞬で圧倒されたのかな。そういうことって、あるのかな。おかしいね。
大人になっても、羨ましい気持ちも、憧れの気持ちも通り越しちゃうようなものに出会うと、無性に涙がこぼれてきます。
大人になったのに、おかしいね。
私にもいつか、そういうものを作れる日が、やってくるのでしょうか。